空間と舞台美術を巡る・3日11ステージ「できるかな」

劇場スタッフ・松本です。

一昨日アップした
・4日で13ステージ観劇「できるかな」
http://en-geki.blogspot.jp/2013/04/2013gw.html

反響いただいておりますが、この観劇プラン、残念ながら昨日4/26から観始めてコンプリートするものだったので、本格的に連休が始まる、今日4/27からスタート出来るものを考えてみました。

観劇候補にリストアップした公演を見ていると、幅広く色々な（ギャラリー、バー、からホールまで）劇場空間がそろっていて、どのように空間を使うのか？舞台美術や照明も気になるものが多々。
そして、目下、王子小劇場で公演中・PLAT-formance「cut out list」ですが、舞台美術や音楽も、初日から好評をいただいております。

そこで、今回は特に、空間（に「音」もふくまれるかと）と美術に注目して、多様な劇場・空間表現を一度に見て回れそうなプランを組んでみることにしました。
（一旦、半券割・なぐりーず出演作コンプは置いといて）

ラインナップは、この11（12）本。
舞台美術・照明・音響に絞って、書きだしてみましたが、スタッフも注目どころの若手・王子小劇場でもお馴染みの方・佐藤佐吉賞ノミネート/最優秀受賞してる方、が数見られます。


1）4/25〜30　PLAT-formance「cut out list」　＠王子小劇場
　　舞台美術：中村友美　照明：内山唯美（劇団銀石）    音響：角田里枝
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今回、シンプル・スタイリッシュで機能的、かつ意外に今まで王子小劇場で見ることがなかったアプローチでの舞台美術が、映像・照明と相まって評判よいです。
舞台美術や照明の断片は「感想まとめ」にある画像ツイートでも少し見ることが出来ます。オリジナル音楽と、作品内容で重要な役割を果たしている音響も聴きどころ。角田さんはぬいぐるみハンター「愛情爆心地はボクのココ」で佐藤左吉賞2011優秀音響賞にノミネートもされています。内山さんは、バナナ学園でもお馴染み。
スタッフ、桜美林大学出身で占めてますね。


2）4/28〜5/6    月刊「根本宗子」「ひかる君ママの復讐」　＠BAR 夢
3） 4/27〜5/6　風琴工房「おるがん選集3」　＠くらしのアトリエひらや
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BAR、（ベジタリアンのための）レンタル古民家、という変わった、もしくは日常に近い空間？での公演2本。ともに「食す」空間でもありますね。
どういう空間を選ぶか？ということが、舞台美術の起点だったりするものだと思います。
席に限りがあるので予約・チケット確保はご注意を。


4）4/21〜5/16　パルコ「レミング 〜世界の涯までつれてって〜」　＠パルコ劇場
　　舞台美術：林田裕至・舩木愛子    照明：吉本有輝子    音響：田鹿充
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壮大な舞台美術・装置の野外劇で知られる維新派の松本雄吉さん演出で、寺山修司作品！
林田さんは、長く維新派を、そして数多くの映画美術を手がけている方ですね。照明の吉本さんは、維新派の他に、青年団関係やMONOなど、関西を拠点に幅広く活躍されてます。王子小劇場では、壁ノ花団「ヤングフォーエバー」で佐藤佐吉賞2011最優秀照明賞受賞。


5）4/12〜29　庭劇団ペニノ「大きなトランクの中の箱」　＠森下スタジオ
 　　美術：タニノクロウ・稲田美智子　照明：阿部将之（LICKT-ER）　音響：佐藤こうじ
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自宅を大改造したアトリエ「はこぶね」から、今回の舞台美術もすでに話題になっています。あまり多くを語ると、すべてネタバレになってしまいそうなのであまり書けませんが、すごいです（観ました）。美術、だけでなく舞台監督などのテクニカルに興味がある人にも刺激になる装置です。


6）4/17〜28　劇団ホチキス「クリエイタアズハイ」　＠OFFOFFシアター 　
 　　舞台美術：稲田美智子　照明：工藤雅弘（Fantasista?ish.）　音響：田島誠治（Sound Gimmick）
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ペニノにも手がけている稲田さんの舞台美術を同時にまったく異なる方向性の作品で追いかけて観ることが出来ますね。ホチキスとしては、このサイズの空間、初めてかと思います。舞台装置的には、自分で製作・仕上げ（描画）するプランナーなら、すべてを自分一人でこだわって直接手にかけられるサイズ。つくり込みが期待出来ます。
過去、王子小劇場での稲田さんの舞台美術プラン（ホチキスほか）は具体的な場所を、クオリティ高いディテールでつくったものが多いですね。カスガイ「リビング」で佐藤佐吉賞2009最優秀舞台美術賞受賞。ほか、ホチキスはもちろん、タカハ劇団、北京蝶々、でもノミネート。
工藤さんは、東京ネジ「僕等の肌ヌらす青」で佐藤佐吉賞2005最優秀照明賞受賞。その後5年連続・通算8回ノミネート。田島さんは天然果実「Volume」で佐藤佐吉賞2009最優秀音響賞受賞ですが、翌2010年ノミネート、カプセル兵団での立体音響も印象深いです。


7）4/26〜5/3    サスペンデッズ「エレノア」　＠駅前劇場
　　舞台美術：長田佳代子    照明：工藤雅弘（Fantasista?ish.）　音響：平井隆史（末広寿司）
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そしてホチキスと同時に（しかも隣で）、工藤さんの照明プランを追いかけて観ることが出来ます。長田さんは、文化庁海外研修でドイツに留学の経歴があり、先日まで公演のあった、ブルドッキングヘッドロックや、伊藤熹朔賞新人賞も受賞したヨーロッパ企画の作品などでも活躍されています。2011年度には、伊藤熹朔賞本賞も受賞されてますね。
平井さんは、乞局「雄日葵」で佐藤佐吉賞2005、同じく「廻罠（わたみ）」で佐藤左吉賞2006、2年連続最優秀音響賞を受賞。
駅前劇場は「下北沢・小劇場」の中心となる劇場として、王子小劇場が「ライバルは駅前とアゴラ」と勝手に宣言し、また開館以来ひとつの目標にもしてきた場所です。天井高の割に間口が広いのが特徴的。おそらく、数多くの小劇場系ベテラン〜一線級のスタッフがあらゆる工夫と攻略法を積み重ねて、知り尽くしてきた場所として「どう攻め（てい）るのか？」が常に気になる・問われる劇場ですね。


8）4/18〜29　天才劇団バカバッカ「ウェルカム・ホーム」　＠テアトルBONBON
　　舞台美術：原田愛　照明：山内祐太　音響：高橋真衣
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原田さんは、柿喰う客「露出狂」（で、佐藤左吉賞ノミネート）が非常に印象的でしたが、オーストラ・マコンドーでも。山内さんは、ぬいぐるみハンターや、この先では桃尻犬などで、高橋さんは、昨年のバナナ学園などで、王子小劇場でもお馴染みのスタッフが揃ってますね。テアトルBONBONは2009年オープン。90年代末以降、新しく・劇場として建設された「小劇場」という、80年代にはあまりなかった空間ですね。


9）4/25〜29   劇団ズッキュン娘「猪突タッチアップ」　＠新生館シアター
　　照明：中佐真梨香（空間企画）　音響：下重博資
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この観劇プランの中では、一番旗揚げ公演など行いやすい、ある意味一番（80年代〜的）「小劇場（演劇）」らしい空間の劇場かもしれません。アトリエ的な手づくり感ありつつ、上演のために設備した空間。昨年、劇団肋骨蜜柑同好会は、ここでの公演から一ヶ月後、電撃的に王子小劇場での再演。最近、新進劇団が出てくる空気がありますね。中佐さんは、今回のプラフォのスタッフ陣同様、桜美林大学出身若手のようですね。


10）4/17〜30   THE SHAMPOO HAT「葛城事件」　＠ザ・スズナリ
　　舞台美術：鈴木健介　照明：杉本公亮　音響：田上篤志（atSound）
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ここも「小劇場」そして「下北沢」という街を象徴するような、ある種の「聖地」。独特のニオイ・雰囲気がある場所。そこに、ベテランスタッフ陣。劇団としても、赤堀さんの岸田戯曲賞受賞で確固たる位置になりましたね。
鈴木さんは青年団に所属。文化庁海外研修でオランダに留学の経歴があり、研修の様子を漫画にした本が王子小劇場のロビー本棚にもあります。桜美林大学などで非常勤講師もしており、教え子になる若手舞台美術家もすでに活動し始めています。青年団関係の作品が多いですが、最近は桐朋学園関係で、鈴江俊郎作品の舞台美術プランも見られますね。
これまでのTHE SHAMPOO HATとは一味違う方向の空間になりそうなのが気になります。


11）4/20〜29　青年団リンク水素74%「半透明のオアシス」　＠三鷹市芸術文化センター星のホール
　　舞台美術：角田千穂　照明：板谷悠希子（blance,inc.DESIGN）　音響：池田野歩
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いわゆる「ホール」の空間（しかし可変客席で、自由な使い方が出来る）を、どう大きく使っているか？あるいは小さく使っているか？スタンダードに使っているか？
そろって日芸出身の、これも王子小劇場でもお馴染みのスタッフ陣ですね。角田さんはバナナ学園で、板谷さん・池田さんはロロで、お馴染み（池田さんは、ロロ「家族のこと、その他のたくさんのこと」で佐藤左吉賞2009、10「ボーイ・ミーツ・ガール」、12「父母姉僕弟君」と3回優秀音響賞にノミネート）ですが、「角田・池田、（そして今プラフォの照明・内山）」チームは、先日、あんかけフラミンゴ「あんかけフラミンゴ2」が印象に新しいところです。


12）4/21〜5/1    Moratorium Pants「ぼーくらは、みんなーいーきている〜」　＠新宿眼科画廊
　　舞台美術：馬場としのり・長峰麻貴・河合愼平　照明：芝原弘
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ギャラリー・ルデコに並び、常に公演が行われるようになってきているギャラリー、眼科画廊。定番でお馴染みな場所になってきています。ポップなアート寄りテイストの作品・美術が多いように感じられる場所ですね。動画があがっていたところでは、ロロ「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校」とか。


それぞれの開演時間をテーブルタグで表にしたものは割愛。
（参考：4日で13ステージ観劇「できるかな」）
表に観劇プラン（パターン）をチェックしたものはこちら
[ エクセル ]　と　[ PDF ]



そして、組みあがったプラン。
（各公演間の移動・交通に関してはおって更新）

【空間と舞台美術を巡る・3日11ステージ】

【4/27（土）ハシゴ3本】

1a）4/27（土）13:00　パルコ「レミング 〜世界の涯までつれてって〜」　＠パルコ劇場
（上演時間約2時間）
※記事アップした時点ですでに開演してしまってましたが、まあ、これは〜5/16までなので、 補完することは可能。

1b）4/27（土）14:30　THE SHAMPOO HAT「葛城事件」　＠ザ・スズナリ（上演時間2時間10分：シアターガイド）

徒歩5分
「下北沢」小田急線（急行新宿行）17:09〜17:17（17:22〜17:30）「新宿」　150円
新宿駅構内・徒歩7分　
「新線・新宿」都営新宿線（各停本八幡行） 17:28〜17:45（17:38〜17:50）「森下」　260円
徒歩6分

2）4/27（土）18:00　庭劇団ペニノ「大きなトランクの中の箱」　＠森下スタジオ（上演時間90分：公式 @niwagekidan ）

徒歩6分
「森下」都営大江戸線（各停両国経由都庁前行）19:54〜20:01「上野御徒町」　170円
徒歩6分
「御徒町」JR京浜東北線（各停南浦和行）20:07〜20:20「王子」　160円

（移動の余裕はあるので、御徒町で夕食も可能だと思いますが、
早めに王子に到着すると手堅いですね。
比較的早くオーダーが出て来るお店としては、関係者もよく行く、中華・天安門、
開演までの時間調整によい回転寿司では、もり一、もまだ営業してる時間）

3）4/27（土）21:00　PLAT-formance「cut out list」　＠王子小劇場


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 【4/28（日）ハシゴ4本】

4）4/28（日）12:00　劇団ホチキス「クリエイタアズハイ」　＠OFFOFFシアター（上演時間約1時間40分：シアターガイド）

徒歩3分
「下北沢」京王井の頭線（急行吉祥寺行）13:57〜14:10　170円
「吉祥寺」JR中央線（各停東西線経由三鷹行）14:15〜14:18「三鷹」　130円
徒歩2分
バス停「三鷹駅」鷹65（深大寺行）14:25〜14:28「八幡前」　210円
徒歩3分

5）4/28（日）15:00　青年団リンク水素74%「半透明のオアシス」　＠三鷹市芸術文化センター星のホール（上演時間約1時間：シアターガイド）

徒歩3分
バス停「八幡前」鷹54/鷹51（三鷹駅行）16:21〜16:26（16:24〜16:27）「三鷹駅」　210円
徒歩3分
「三鷹」JR中央線（特別快速東京行/ 各停津田沼行 ）16:32〜16:41（16:33〜16:44）「中野」　160円
徒歩12分

6）4/28（日）17:00　風琴工房「おるがん選集3」　＠くらしのアトリエひらや（各回25名・完全予約制）

徒歩12分
「中野」JR中央線（快速/特別快速東京行）19:6〜19:11（19:12〜19:16）「新宿」　150円
徒歩12分

7）4/28（日）19:30　Moratorium Pants「ぼーくらは、みんなーいーきている〜」パンツ編　新宿眼科画廊


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 【4/29（月祝）ハシゴ4本】

8）4/29（月祝）12:00　天才劇団バカバッカ「ウェルカム・ホーム」　テアトルBONBON（上演時間110分：感想まとめより）

徒歩6分
「中野」JR中央線（快速東京行）14:19〜14:23　150円
「新宿」小田急線（快速急行藤沢行）14:29〜14:36　150円
徒歩3分

9）4/29（月祝）15:00　サスペンデッズ「エレノア」　駅前劇場

「下北沢」小田急線（快速急行新宿行）17:22〜17:30　150円
「新宿」JR埼京線（各停大宮行）17:35〜17:40　150円
「池袋」東武東上線（各停志木行）17:47〜17:48「北池袋」140円

10）4/29（月祝）18:00　　劇団ズッキュン娘「猪突タッチアップ」　新生館シアター（上演時間120分予定）

「北池袋」東武東上線（各停池袋行）20:11〜20:13（20:20〜20:22）　140円
「池袋」JR埼京線（快速新宿行）20:20〜20:25（20:26〜20:32）　150円
「新宿」丸ノ内線（池袋行）20:32〜20:37（20:42〜20:47）「四谷三丁目」　160円
徒歩5分

11）4/29（月祝）21:00　月刊「根本宗子」「ひかる君ママの復讐」　BAR 夢


上演空間の違いや、スタッフワークに注目して都内を巡る観劇ツアー、いかがでしょう？