2020年2月29日

佐藤佐吉演劇祭2020 参加作品 上演中止のお知らせ

佐藤佐吉演劇祭2020 参加作品 上演中止のお知らせ

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、2月18日(火)から開催しておりました、
佐藤佐吉演劇祭2020参加の3月3日(火)以降に上演する全作品ならびに佐藤佐吉落語祭を
中止とさせていただきます。

[対象となる演目]
・しあわせ学級崩壊「幸福な家族のための十五楽章」
・はねるつみき「原原原原原原原」
・中野坂上デーモンズの憂鬱「園」
・コンプソンズ「何を見ても何かを思い出すと思う」
・劇団スポーツ「怖え劇」
・はりねずみのパジャマ「それでも棒は持っておいたほうがいい」
・劇想からまわりえっちゃん「チャンバラ茶番!満員御礼!」
・はなさじ企画「入りやすい峡谷」
・劇団 短距離男道ミサイル「春とシュララライッ!! ~Spring and Asuras(not-/mental sketch modified)~」
・佐藤佐吉落語祭

佐藤佐吉演劇祭実行委員会ならびに花まる学習会王子小劇場としましては、参加団体と連携を取りながら感染予防対策に最大限努めて参りましたが、このような不安定な状況下で演劇祭を続けるのは未来ある若手の参加団体にとってリスクが大きすぎると判断し、中止の判断を致しました。
ご観劇を心待ちにしていただいておりました皆様には深くお詫び申し上げます。

既に前売り券をご購入いただいていたお客様への払い戻し対応につきましては、団体により対応が異なりますので、各団体にお問い合わせくださいませ。

また、現在上演中のくによし組「人人」と南京豆NAMENAME「朝焼けの向こうのトランジスタ」については引き続き万全な対策を取りながら千秋楽(くによし組は3月2日(月)、南京豆NAMENAMEは3月1日(日))まで上演の続行を予定しています。
3月3日(火)以降は、花まる学習会王子小劇場ならびに王子スタジオ1は完全に休館致します。現段階では4月1日(水)より営業再開を目指しております。
以下は、参加団体ではなく私たち演劇祭実行委員会ならびに劇場職員としての声明です。

今回の中止の決定は、なにより今日まで作品創作に注力してきたキャスト・スタッフの皆様にとって到底受け入れられないものだと理解しております。
私たちも作品に関わる方々と同じクリエイターだからこそ、団体に寄り添うことができると信じながら今日まで劇場を運営し、演劇祭を開催してきました。

世界を変えるために、誰かの心の奥深くに突き刺さるために、心血を注ぎ、人生をかけて創作してきた作品が、誰の目に触れることも叶わないことがどんなに苦しいことなのか、どんなに悔しいことなのか、想像するにやりきれない気持ちでいっぱいです。

27日(木)夜の時点までは、新型コロナウイルスに関するニュースを追いながらも、参加団体に上演の意思があり座組内に体調不良者が出るなどの事情がない限り、なんとしてでも上演を遂行することこそが参加団体のためと思って演劇祭の継続を模索しておりました。
しかし、相次ぐ予約キャンセルの中、上演を続け金銭的損失が発生するのはもちろんのこと、万が一にでもコロナの感染源になってしまうことは、まだ評価が定まっていない段階の若い団体にとっては存続自体が危ぶまれる事態に直結するのではと考えました。

今回の演劇祭は日本の演劇の未来を託せる才能ある団体を選定し、実行委員会から直接参加依頼をして開催しているものです。
そのことから「演劇祭実行委員会ならびに劇場としては参加団体に上演中止の要請を行わない」としたスタンスは、団体の自主判断に任せることになり、団体が背負うであろうリスクや苦悩、失うかもしれない信用等を推察するに、非常に無責任であると思いました。
実際に劇場職員同士でも「なにが正しいのか」「どういう選択が結果的に参加団体を救うのか」議論を繰り返しました。ただ、今の状況下を思えばどのような選択をしたとしても様々なご意見が出るであろうと思います。それならば演劇祭を主催する劇場が中止の判断をし、すべてのご意見の窓口になるべきであると考えました。

非常に悔しいながらも我々としては「未来」のために「今」を諦めることが必要であると決断をいたしました。
中止の判断・対応に関しての一切のご意見はどうか参加団体ではなく、劇場までご連絡くださいませ。

演劇はまさに観客とアーティストが「今」を共有する芸術です。
今回の上演に向けて創作していただいていた作品たちは、「今」こそ上演されるべき作品だったのかもしれません。
私たちが絶対に面白いと信じて招聘した団体の作品ですので、絶対に面白いはずと信じて疑っていませんし、お客様と同様に我々も上演を心待ちにし、団体を迎える準備を進めて参りました。
もちろん団体は絶対に上演をし、一人でも多くの観客に作品を届けたかったはずです。
大げさかもしれませんが、私たちが演劇の未来を託そうとした団体の作品たちだからこそ、たとえ「今」を逃したとしても決して風化することのない強靭さを持ったものが創作されていたと信じています。いつの日かこれらの作品がきちんと日の目を見ることを願って、この演劇祭の延期開催をするべく現在調整を行っております。

これは私たちなりの「未来」のための苦渋の決断です。
あくまで私たちの決断であり、今後も上演を続行すると判断された他の劇団さんに対しては対立しようという気持ちはなく、違う立場としてその判断を尊重したいと思っています。
正直、通常の貸館営業であれば私たちも判断を劇場利用団体に委ねていたと思います。

佐藤佐吉演劇祭実行委員会は花まる学習会王子小劇場の職員によって組織されております。
はじめから劇場が多少の赤字を負うことを前提としながら、それでも若手団体の未来に還元するために開催してきた演劇祭でした。
今回、劇場費は中止となった団体へは一切請求しないことを決めました。
ただ、これ以上の団体への補償は、劇場そのものの経営が立ち行かなくなってしまいます。
劇場の経営自体が潤沢ではない中、劇場として唯一の収入源であった劇場費を手放すことは、現時点で劇場ができる最大限の選択です。

それでも、団体にとってはこれまで準備にかかった費用は今後の活動の足を止めてしまいかねないほどに大きなものになっています。
ここで未来ある若手団体の足を止めてしまわないためにも、団体の準備にかかった費用に対する補填や、これからの劇団活動費へのご支援を仰ぎたく、実行委員会でとりまとめてクラウドファンディングを実施させていただきます。
ご支援いただいたお金は参加団体へ分配をさせていただきます。
どうか、将来有望な若手団体の存続のため、ひいては日本の舞台芸術の未来への投資としてご支援賜われましたら幸いです。

最後に、これまでのようにアーティストが安心して上演し、観客が安心して観客席に座っていられるような当たり前だった日常が一日も早く戻ってくることを願っています。


佐藤佐吉演劇祭実行委員会 実行委員長
花まる学習会王子小劇場 芸術監督
池亀三太

1 件のコメント:

  1. 首相が各自の判断と言い、直属の補佐官も自己の判断に基づき一番自粛すべき飲食を伴うパーティーを開催してます。

    うがい、手洗い、マスク着用を全観客が劇場入場後に行い今日も公演をしている劇団もあります。

    公演中止の判断材料は劇団側の対策が可能かどうかの筈です。

    対策して公演すると言っているのに劇団に対して劇場側が中止判断出来る根拠を明らかにしていただきたい。

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