2021年10月3日

芸術監督 交代のお知らせ

芸術監督交代のお知らせ 
2022年4月24日(日)をもって池亀三太は王子小劇場の芸術監督を退任します。
後任の芸術監督には大石晟雄(劇団晴天 主宰)が就任します。

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芸術監督 退任のご挨拶

花まる学習会王子小劇場芸術監督の池亀三太です。
2022年3月〜4月に開催の「佐藤佐吉演劇祭2022」をもって、王子小劇場の芸術監督を退任します。後任には劇場のプロジェクトディレクターで、劇団晴天 主宰の大石晟雄が就任します。

2018年4月の就任より、劇場利用団体の皆様、劇場支援会員の皆様はもちろんのこと、ご来場者様や地域の皆様に多大なご支援とご指導をいただきました。
芸術監督への就任は2018年ですが、初めて王子小劇場で公演を行ったのは2010年夏でした。それから紆余曲折あり、2014年秋よりプロジェクトディレクターとなり、今に至ります。10年以上の演劇活動の大半を王子の街で過ごしたことになります。孤立した演劇活動を行っていた私は王子小劇場で初めて創作の悩みや劇団運営の悩みを打ち明けられるような仲間に巡り会えました。王子での日々はまさに遅れてきた青春でした。
この期間、お世話になりましたすべての皆様に心より感謝申し上げます。

2020年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、王子小劇場でも多くの公演が中止となりました。運良く実現できた公演も客席制限のある中、感染防止対策を徹底して行うといういままでにない形となりました。
中止を決断された団体、開催を決断された団体、すべての団体の苦悩を共有していただきました。若手支援を打ち出す劇場として何が出来るのか頭を抱える毎日でした。
公演実現に向けて団体と一緒に対策を練りました。中止か開催かで揺れ動く団体と一緒に協議を重ねました。
ただ、いち民間劇場としての経済的な限界にも直面しました。
公演中止決定後からしばらく活動が止まったままの団体もあり、現状を案じています。
ひとつひとつの団体、公演に対して、劇場として芸術監督としてどうすることが正解だったのか、ずっと考え続けています。

コロナの影響が続く中での退任に後ろめたい気持ちはありますが、劇場スタッフが若返ることにより、さらに若手団体との距離も縮まり、団体に寄り添った劇場運営が実現できると信じています。

後任の大石君はとてもピュアで演劇に対する気持ちが熱い男です。近年の公演の実績で脚本家・演出家としての評価も着実に手にしています。また、創作者としての才能に限らずスタッフワークもデキる男なので、あらゆる視点での演劇をみる目を持っています。このご時世で困っている多くの若手団体に対して、大石君ならではの手の差し伸べ方がきっとできるはずだと期待しています。
また、劇場スタッフのほとんどが大石君と同世代かそれより若い世代になります。
若いスタッフだからこそできる、時代にあった柔軟な発想で、あらゆる企画・プログラムに果敢に挑戦しくれるだろうと期待しています。
今後も劇場として常に挑戦を続け、劇場利用団体にとっても安心して挑戦ができる場所として機能していくことを願っています。
王子小劇場は勇敢で挑戦的な企画を常に心待ちにして、劇場の扉を開き続けていくことでしょう。
今後も王子小劇場から新たな才能が巣立っていくことを楽しみにしています。

退任後は王子小劇場を離れる予定ですが、演劇活動は続けていく予定です。でも人生何が起きるか分からないので未来のことは分からないなって思います。
また世界のどこかの劇場や街角でお会いできましたら幸いです。

花まる学習会王子小劇場 芸術監督 池亀三太 

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芸術監督 就任のご挨拶

王子小劇場プロジェクトディレクターの大石晟雄です。
池亀三太より引き継ぎ、2022年4月から王子小劇場の芸術監督に就任いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
(来年1月より、「王子小劇場」に劇場名を変更しますので、「王子小劇場」の名前でご挨拶しております)
若手にバトンを渡してくださった諸先輩方に、この場を借りてお礼申し上げます。

また昨年から現在にかけて、より劇場を応援していただいている方の存在を大きく感じるようになりました。劇場支援会員のみなさまはもちろん、昨年行ったクラウドファンディングでご支援いただいたみなさま、利用団体の皆さま、そしてなによりご来場いただくお客様。
いつも本当にありがとうございます。

王子小劇場には、劇場スタッフが全員で十数時間会議をし、年間演目からそれぞれ賞を選ぶ「佐藤佐吉賞」という賞があります。
そこで2015年に脚本賞をいただいたのが、王子で働くきっかけでした。
職員として入ってから、そのとき池亀さんただ一人が賞に推してくれたことを知りました。
全員一致でなくても、誰か一人の主張で会議の結論が変わっていくことがあり、その権利を全スタッフが持っています。そんな、いい意味での「偏り」がこの劇場にはあります。
その偏りと、劇場としてのバランスをそれぞれ大事にしながら、
若い創作者が自分たちの立ち位置を確認し、巣立っていく中間地点として、王子小劇場が今後も存在していけるよう、劇場の扉を開き続けていきたいと思っています。

「劇場」で公演することもリスクが伴うこの時代に、20代の芸術監督がいる劇場ということが、若い創作者が「劇場」を使う足掛かりになれたらと思っています。
また若手支援プロジェクトを含めた劇場事業も、徐々に復活させていくつもりです。

今年よりも来年、来年より再来年、王子小劇場に足を運んでいただけるよう盛り立てていき、より良い状態で未来の演劇に渡せるよう、邁進してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

王子小劇場 新芸術監督 大石晟雄 

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